P2P技術を駆使し,無料で使えるIP電話サービスとして登場したSkype---。これがネットワーク分野で2005年に最も脚光を浴びた技術だろう。4月にはダウンロード数が国内だけで300万,全世界では1億を超え,年末には音声だけでなく映像もやりとりできる新版2.0のベータ版も公開された。
また,2004年には技術的課題や相互接続問題が解消されつつあったIP電話も広く普及した。特に企業ユーザーがIP電話を導入する事例が多く見られた。
個人ユーザーにとってはライブドアに代表されるように,公衆無線LANアクセス・サービスの普及が注目すべき点だ。また,動画配信サービスも本格的に普及しだした。特に2005年後半に出てきたサービスは,プロバイダなどが限定されない本当の意味でのインターネット・アプリケーションになっている。
一方,電力線通信(PLC)については,漏えい電波の問題などの議論が白熱したが,まだ決着にいたらないままだ。2006年も目が離せない。
このほか,2005年に登場して2006年に本格化する見込みなのが,WiMAX,ZigBee,Wireless USB,UWBといった無線通信関連技術だ。
2005年後半にはAjaxやWeb 2.0といった新しいキーワードの技術も登場した。
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ライブドアが公衆無線LANサービスの有償化を再度延期,とまどう提携各社 (10月26日)
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ホーキング、ライブドアの無線LANを映像配信機能付きの自販機で全国展開 (9月27日)
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東西NTTが公衆無線LAN拡大,06年末まで1万2000APを設置 (9月15日)
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◆動画配信サービスが続々
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・ソフトバンクとヤフーで「Yahoo!動画」,発表会に上戸彩らが登場 (12月19日)
・USEN「GyaO」の登録者が500万突破,サービス開始から8カ月で (12月16日)
・映像コンテンツのダイジェストを自動生成,NTTなどが実証実験 (12月7日)
・ソフトバンクが「GyaO」対抗動画配信の実験開始,地上波TVも交渉中 (10月20日)
・TBSがVODサービスを本格化,BBTVや4th MEDIAなどに提供 (10月12日)
・東芝がぷららのブロードバンド放送チューナー内蔵テレビを発売 (9月28日)
・ぷららがブロードバンド映像配信サービスをプロバイダ・フリー化 (8月1日)
・パワードコムが秋からVODを開始,8月から先行サービス (7月22日)
・日テレもVODを10月から本格展開,NHK,フジに続き正式発表 (7月20日)
・ SCNがインターネットで20世紀の名作映画100本の有料配信開始 (7月4日)
・ソフトバンク,平井堅のコンサート映像を無料でネット配信 (6月6日)
・アイキャストがブロードバンド放送開始,オンデマンドTVで19チャンネル提供 (5月31日)
・ストリーミング・メディア技術の標準化団体ISMA,配信仕様「ISMA2.0」の最終版を公開 (4月18日)
・USENが無料ブロードバンド放送を開始,ISPフリーで視聴可能 (4月5日)
・フレッツ向け映像配信サービス「オンデマンドTV」,VODからスタート (3月7日)
・USEN,映画配信にWindows Media DRM 10を採用 (2月28日)
・NTT Com,西日本でもテレビ受像機向けVODサービス (2月24日)
・「Yahoo! BB光」に新メニュー,BB放送やVODを利用可能に (2月23日)
◆電力線通信(PLC)に関わる議論が白熱
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電力線通信の研究会が閉幕,「世界初の報告書できた」と杉浦座長 (12月22日)
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電力線通信の研究会,1300超のパブコメ集まるも報告書に変更なし (12月12日)
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「宅内カバー率や信頼性は無線LANに勝る」,PLCの業界団体が技術セミナー (11月16日)
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【CEATEC】シャープや三菱などPLCモデムを多数出品 (10月7日)
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【CEATEC】松下がPLCの公開実験,HDTV伝送やIP電話を同時に (10月7日)
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【続報】4年かかった電力線通信実用化,推進・反対派両者の折り合いつかずに決着 (10月4日)
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【速報】電力線通信の研究会が決着,来年にも実用化へ (10月4日)
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電力線通信の報告書素案出る,推進派から「容認できない」の声も (9月27日)
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