YOZANは6月24日,5.7GHz帯での無線アクセス実験局の予備免許を取得したと発表した。6月29日までに実験用のネットワークを構築し,7月に実験局本免許を取得後,実地検証を開始。実験には米エアースパン製の無線LANスイッチ「AS3030」などを使用する。

 実験局は東京23区内に開設。実験の目的は,電波強度や電波到達距離,スループットなどの基礎データを取得して,同社が12月開始を予定する商用WiMAXサービスのネットワーク構築資料にするとしている。

 YOZANが12月から開始する予定のサービスは4.9GHz帯を使用する。現在同周波数帯は固定無線アクセス用途で使われており,12月から東名阪で無線アクセス用途に開放される(全国で開放されるのは2007年12月予定)。また実験で使う米エアースパンの機器が対応する周波数帯は,現状5.4Gから5.8GHz帯である。そのため今回の実験は4.9GHz帯より高い5.7GHz帯で実施する。

 なお,WiMAXは現在「IEEE 802.16シリーズ」として規格化が進んでおり,業界団体である「WiMAXフォーラム」では2.3G,2.5G,3.3G,3.5G,5.8GHz帯の周波数帯を利用することを提案している。現状いずれの周波数帯も日本では他の用途に割り当てられている。

(大谷 晃司=日経コミュニケーション