映像機器などの開発を手がけるIRIユビテックは8月18日,東京都内の3拠点に130台のソフトフォンや70台の固定型IP電話機を導入,構内電話システムを刷新した。3月末から運用を開始している。

 同社は3拠点のうち東京都新宿区の本社と千代田区の拠点に無線LANアクセス・ポイントを設置。無線LAN対応のノート・パソコンにソフトフォンをインストールし,従業員が社内のどこにいてもノート・パソコンとソフトフォンを使って業務ができる仕組みを構築した。

 ソフトフォンは沖電気工業の「Com@WILL」を採用。Com@WILLは音声通話だけではなく,プレゼンスやテレビ電話/テレビ会議,チャットなどの機能も備える。

 また,IRIユビテックではIP電話システムにIPセントレックス方式を採用した。本社内に設置した沖電気のSIP(session initiation protocol)サーバー「IP CONVERGENCE Server SS9100」が,全3拠点の電話端末を呼制御する。

 拠点間の通話はインターネットVPN経由で行う。呼制御や音声パケットをインターネットVPNに流しても「音質に関して支障は出ていない」(沖電気)としている。また,インターネットVPN経由で国内3拠点と米国1拠点での遠隔テレビ会議も可能になった。

 一方,外線電話は一般加入電話(PSTN)とISDN回線のまま。「IP-LTU」というVoIPゲートウエイ装置を各拠点に導入し,IP電話システムとPSTN/ISDN回線を接続した。

 IRIユビテックでは現在,構内電話システムの刷新によるコスト削減効果を算定中であるとしている。

(武部 健一=日経コミュニケーション