無線Personal Area Network（PAN）の業界団体WiMedia Allianceと超広帯域無線通信（UWB）の推進団体MultiBand OFDM Alliance Special Interest Group（MBOA-SIG）は米国時間3月3日に，両団体の統合を発表した。統合後の新団体WiMedia-MultiBand OFDM Alliance（WiMedia-MBOA）では，引き続き，無線PAN向けマルチメディアにおけるUWBの標準化と普及促進に取り組む。

　UWBは，電力消費をおさえながら，最大10メートルの距離で最大480Mbpsの無線データ転送を実現する。高画質ビデオなどのマルチメディア・コンテンツを民生電子機器とコンピュータ周辺機器間でやりとりするのに適しており，Wi-FiやWiMAXなどの既存技術と干渉しないことが利点の一つ。

　新団体は， MBOA-SIGの物理層（PHY）仕様における知的財産のレビューを行う。また，メディア・アクセス層（MAC）仕様を完成させる。MBOA-SIGのPHYおよびMAC仕様をベースにした無線プラットフォームは，無線USB，IEEE 1394，無線IP対応製品などでの採用を想定する。

　ちなみに米メディアの報道（internetnews.com）によると，MAC仕様は2005年6月までに完成の見込み。

　そのほか，UPnP/IP技術対応アプリケーション・プロファイラの開発，各種プロトコル間の協調制御を行なうWiMedia Convergence Architecture（WiMCA）WiMCA層やUWBによるIPネットワークを実現するためのWiMedia Network Protocol Adaptation（WiNET）層の仕様完成を目指す。

　新団体はすでに認定および相互接続性プログラムの定義に取りかかっているという。

　新団体の主な役員は以下の通り。

・議長：米IntelのStephen R. Wood氏
・副議長：オランダPhilipsのKursat Kimyacioglu氏
・副議長：韓国Samsung ElectronicsのJon Rosdahl氏
・書記：米Staccato CommunicationsのRoberto Aiello氏
・会計：米Hewlett-Packard（HP）のMark Fidler氏

◎関連記事
■MBOAのメンバーがUWB仕様を検討するSIG結成へ，米Intel
■米Intel，高速無線技術UWBおよびワイヤレスUSBに関する取り組みを発表
■米IntelやNECなど，初のUWB／無線USB対応機器による相互接続デモを実施
■「無線技術UWBは，パーソナル・ネットワーク以外にも利用できる」，英ABI Research
■「UWB対応機器は2005～2008年に年間成長率400％で増加」，米In-Stat/MDRが予測
■米Freescale，携帯電話機などUWB対応ソリューションのデモを実施
■米Motorola子会社が次世代UWB製品のロードマップを発表，「データ転送速度は最大1Gbps」
■「家庭内エンターテインメント・ネットワーキング技術は，最終的にWi-Fiが主流に」，米調査

[発表資料（WiMedia Allianceのプレス・リリース）]
[発表資料（intel社のプレス・リリース）]