超広帯域無線(UWB:Ultra-Wideband)の推進団体であるMulti-Band OFDM Alliance(MBOA)のメンバーが,UWBベースのマルチバンド直交周波数分割多重(MB-OFDM)通信の普及促進を図るSpecial Interest Group(SIG)を結成する。米Intelが米国時間2月19日に明らかにしたもの。
MBOAには,半導体,民生電子機器,パソコンおよび周辺機器,モバイル機器などの分野から60社以上の企業が参加している。MB-OFDMベースのソリューション向けに,UWB対応の物理層(PHY),PHY―メディア・アクセス層(PHY―MAC),MACの仕様策定を行う。
UWBは,民生電子機器,パソコン周辺機器,モバイル装置同士でデータ転送するための短距離用無線技術。高速でありながら,消費電力を低く抑えられるという。高画質マルチメディア・コンテンツの転送に向いており,たとえば,居間でデジタル・ビデオ・レコーダから高品位テレビに家族のビデオを無線で送ったり,会議室でノート・パソコンからプロジェクタにプレゼンテーションを配信したりといった利用法が考えられる。
同SIGが取り扱う仕様は,無線Personal Area Network(PAN)に関係する領域。マルチメディア家電,パソコン用周辺機器,モバイル機器など比較的狭い範囲に存在するさまざまな装置を,高速に無線接続する技術を検討する。また,既存のUWB標準規格であるIEEE802.15.3aに対する提案活動も行う。
先ごろMBOAは,リビジョン9という版の仕様をまもなく公開し,その後2004年5月に最終版を提供するという計画を明らかにした。同仕様に対応するLSIは,複数の半導体メーカーが2004年末までにサンプル出荷を開始する。
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