米Texas Instruments(TI)は,MultiBand OFDM Alliance(MBOA)がUWB(Ultra Wideband)の普及促進に取り組むSpecial Interest Group(SIG)を設立する計画を支援すると1月26日,発表した。MBOAはUWBの標準化に向けた規格団体である。

 SIGの正式な発足は,2004年第1四半期末を予定している。2004年5月に「UWB 1.0」標準規格を発表し,IEEE 802.15.3a作業グループに提案する計画である。

 UWBは低消費電力で高速なデータ転送を実現する無線技術。セットトップ・ボックスからテレビへ高品位(HD)ビデオをストリーミングする場合など,高品質のサービスが要求される無線接続の用途を狙う。なおTI社は,UWB技術を用いた製品を2005年初頭には市場投入する予定である。

 TI社消費者向けネットワーキング事業部門ジェネラル・マネージャのYoram Solomon氏は,「UWB技術は急速に発展している。迅速な市場開拓と相互接続性を確保するためには,バリュー・チェーン全体を通じてサポートすることが重要だ」と説明した。「50社以上の企業がMBOAの方針を支持しており,OFDM方式がUWBの標準規格になることは明らかだ」(同氏)

 現在,MBOAには民生電子機器,パソコン,ホーム・エンターテインメント,携帯電話,デジタル画像処理,半導体分野などの多くの企業が参加している。主なメンバー企業はTI社のほか,旭硝子,米Broadcom,米Cypress,富士通,米Hewlett-Packard(HP),ドイツのInfineon,米Intel,米Microsoft,三菱電機,NEC,フィンランドNokia,松下電器産業,オランダのPhilips,韓国のSamsung,TDK,ミネソタ大学など。

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