TDKは10月6日,新しい無線通信規格「UWB」(ultra wide band)機器の評価システムを発表した。同社が100%出資する米国の研究開発子会社が開発したシステムで,すでにUWB機器の評価サービスを機器ベンダー向けに提供済み。TDKによれば,UWB機器の評価システムの開発は世界で初めて。7日から幕張メッセで開幕する「CEATEC JAPAN 2003」で展示する。

 UWBは,比較的近距離を100Mビット/秒以上で高速に通信するための無線通信規格。2002年2月には米国のFCC(連邦通信委員会)が技術的な基準をまとめ,行政の許可を得ることなく自由に利用できるようにした。これまでの無線通信規格と異なる点は二つ。一つは,3.1G~10.6GHzと広範囲にまたがる周波数帯を使って通信すること。もう一つは,-41.3dBmと微弱な出力で送出すること。UWB機器の電波強度を測定するためには,これらに対応したアンテナなどの開発が必要だった。

 TDKが開発した評価システムでは,UWB機器が送出する電波強度について,(1)電波強度の単純な測定,(2)UWB機器の周囲に広がる電波強度分布の測定--と2通りから選べる。単純な測定ではFCCがまとめた出力-41.3dBmを超えていないかを,分布の測定ではUWB機器周囲の2次元分布を調べられる。

(加藤 慶信=日経コミュニケーション)