米In-Stat/MDRは,超広帯域無線(UWB:Ultra Wideband)市場に関する調査結果を米国時間9月29日に発表した。同社は,UWBに対応する機器は,2005~2008年に年間成長率400%で増加すると予測する。

 同技術は,主にデジタル・カムコーダ,テレビ,パソコン,セットトップ・ボックス,TVモニターといった周辺機器間におけるビデオの高速転送などに向けて家電メーカーから注目されている。同技術の支持者は,2002年にFCCが利用を許可して以来,標準化と商用ソリューションの実現に向けて努力している。しかし,現時点でも同技術の標準仕様は固まっていない。そのため,IEEEによる標準仕様の策定を待つことなく,製品の開発を進めている企業もあるという。

 同社は,UWBが展開される上で,他の技術と深刻な競争に直面することは無いと考えている。現在,複数のデジタル・ビデオ・ストリームを転送する無線技術で利用できるもの存在せず,また標準化されているものもない。もっとも近い技術でもデータ転送速度は480Mビット/秒のUWSソリューションの1~10%程度しか出ないという。

 同社によれば,UWBの実装は,初期段階として機器間におけるポイント・ツー・ポイント接続が主流となり,ポイント・ツー・マルチポイント接続がその後に続くという。また,UWBチップセットの組み込みが進むにつれ,コストが低下するとともに標準仕様が固まると考えられる。そのため,UWBはパソコンと家電機器間の橋渡しをする無線USBとして非常に注目される技術となるとみている。

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