米Intel,NEC,米Texas Instruments(TI),イスラエルのWisairは米国時間9月8日に,カリフォルニア州サンフランシスコで開催中の開発者向け会議Intel Developer Forum(IDF)で,各社のマルチ・バンド直交周波数分割多重(OFDM)UWB対応通信機器による相互接続性のデモンストレーションを行った。Intel社が同日明らかにしたもの。共通PHYとプロトタイプの無線USBアプリケーション・スタック,各メーカーが開発したMACを使ってデータ交換を確認できたのは,「今回が初めて」(Intel社)という。

 UWBは,短距離間の民生電子機器,パソコン周辺機器,モバイル装置同士でデータを転送するための無線技術。高速でありながら,消費電力を低く抑えることが可能。高画質マルチメディア・コンテンツの転送に向いており,たとえば,居間でデジタル・ビデオ・レコーダから高品位テレビに家族のビデオを無線送信したり,会議室でノート・パソコンからプロジェクタにプレゼンテーションを配信したりといった利用法が考えられる。

 UWB無線レイヤーの開発は,UWBの推進団体であるMulti-Band OFDM Alliance(MBOA)が進めている。MBOAは無線レイヤーのうち,物理層,メディア・アクセス層,UWBインタフェース向けのマルチ・バンドOFDMの仕様を策定する。

 またIntel社はほかの企業とともに,無線USBの普及促進を図る業界グループWireless USB Promoter Groupを立ち上げた。参加企業は,米Agere Systems,米Hewlett-Packard,米Microsoft,NEC,オランダPhilips Semiconductors,韓国Samsung Electronics。無線USB仕様では,USB 2.0と同等の転送速度である480Mbpsを目指す。10m以内の範囲を対象とし,高速かつ低消費電力の通信を実現する予定。

 Intel社は,無線USBおよびマルチ・バンドOFDM UWB対応製品が2005年に利用可能になると見込む。

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