米ABI Researchは,超広帯域無線(UWB:Ultra Wideband)に関する調査結果を米国時間7月14日に発表した。同社は,UWB技術が消費者向けだけでなく多くの企業アプリケーションで適用できる,としている。

 UWBは,デバイスの5~10メートルの範囲で無線通信を提供する。個人向けのネットワークにおける利用以外に,同社は,正確な位置の確認と資産追跡,侵入検出,障害物回避といった利用法を挙げている。たとえば,国防高等研究計画庁(DARPA)は,戦闘の場でPDAを利用した通信手段としてUWBに興味を示しており,同技術が必要条件を満たすとしている。また,建築用車両の後方部にUWBセンサーを設置して障害物を検出することもできる。

 また,現在,同技術の標準規格に関して争われているが,同調査では多くの場合において単一の標準規格は必要ないと結論付けている。

 「政府や軍といったニッチ部門,デバイスやネットワーク間の相互運用性よりも,その場の問題を解消することのほうが重要な場合には,UWB技術の標準化は重要ではない」(同社半導体調査部門シニア・ディレクタのAlan Varghese氏)

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