米インテルのマット・シール(Matt Theall)氏
米インテルのマット・シール(Matt Theall)氏
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 電力線通信を推進する業界団体「HomePlug Powerline Alliance(HomePlug)」は11月16日,千葉市で電力線通信関連のエンジニアやビジネス開発担当者を対象にした技術セミナーを開催した。

 セミナーの冒頭には,HomePlugの社長である米インテルのマット・シール(Matt Theall)氏が登壇。既に製品化されている「HomePlug 1.0」や2003年の2月に仕様が確定した次世代規格「HomePlug AV」の出荷実績などを紹介した。HomePlug 1.0は,既に宅内モデムなどの関連製品が全世界で300万個以上出荷されており,米国や欧州などで広く使用されていると説明。HomePlug AVについても,製品出荷の時期も近いと語り,HomePlugが電力線通信の業界団体としてリーダーの立場にいることをアピールした。

 後に登壇した米インテロンのアンディ・メルダー氏は,電力線通信を無線LANと比較した際の優位性について説明した。空調設備やPVR(ハードディスク・ビデオ・レコーダ)などあらゆるデバイスがつながった次世代のホーム・ネットワークを実現するためには,宅内の95%以上の区域をカバーできることが要件の一つになると述べた。その上で「無線LANは住宅の建材や電子レンジの配置などの影響で一般的に宅内カバー区域は95%に満たない」として電力線通信の優位性を説いた。また,同様に電力線通信の信頼性についても言及。「米ベルサウスが販売している電力線通信用アダプタの返却率は1%以下で,通常の無線LAN製品の25%と比べると明らかに低い」として電力線通信の信頼性が高いことを示した。