通信事業者のYOZANは2005年12月25日,東京23区において,屋外で広域の無線アクセスを実現するWiMAX(IEEE802.16)サービスを国内で初めて開始した。サービス品目は2種類で,(1)YOZANとの間でWiMAX経由で直接接続する法人向けのインターネット接続サービス「WiMAXダイレクトサービス」と,(2)中継区間にWiMAXを用いて広域無線LANインターネット接続サービスを提供する「BitStandサービス」である。BitStandサービスの利用料金は,1カ月当たり630円から。WiMAXダイレクトサービスの伝送速度は上り下りとも9Mビット/秒であり,ハイビジョン映像伝送などの用途を想定している。

 BitStandサービスは,IEEE 802.11b/gによる無線LAN機能を使ったインターネット接続サービスである。対象エリアは東京23区内で,同サービスの無線バックボーンにWiMAXを利用する。2005年12月25日時点では全部で3カ所のWiMAX基地局,全3カ所の無線LANアクセス・ポイントで運用を開始した。2006年6月30日までに,WiMAX基地局600カ所,無線LANアクセス・ポイント8000カ所を設置する。面展開により,「アクセス・ポイントを探し回らなくても3分歩けばインターネットを使えるようになる」(YOZAN)という。

 BitStandサービスの料金の詳細は以下の通り。IDとパスワードの入力を簡略化させるためのUSBメモリー型認証デバイス「BitKey」(容量128Mバイト)を無償で添付した契約品目「Aコース」は,1年間契約で7560円(税込),半年契約で4410円(税込)。Aコースに加え,屋内向けの無線LANアクセス・ポイント「WebDistributor」のレンタルを含めた契約品目「Bコース」は,1年間で1万1340円(税込)。

 YOZANは12月14日付で,総務省から4.9G~5GHz帯の無線アクセス・システム基地局の包括登録について許可を得ている。