サーバー・ホスティング業務を主力とするクララオンラインは5月12日,東京と名古屋オフィスにIP電話を導入したと発表した。

 採用したVoIP(voice over IP)システムは,シスコシステムズのサービス統合型ルーター「Cisco ISR 2821」。Cisco ISRは,拠点数が少ない中堅・中小企業をターゲットとしたシスコの戦略的製品。同製品は,VoIP機能を提供する「CallManager」のサブセット版「CallManager Express」のほかに,ファイアウォール,VPN(仮想閉域網),IPS(侵入防止システム)などの様々な機能を一つのきょう体に盛り込んでいる。

 クララオンラインはシスコのISRルーターを東京と名古屋のオフィスにそれぞれ設置。アクセス回線にBフレッツを使ったインターネットVPNを構築し,そこに音声とデータを流す。IP電話機はシスコの「Cisco IP Phone 7912G」と「同7960G」を採用した。同社は今後,携帯電話の電波が届きにくいデータ・センターへもIP電話を導入予定していくほか,CallManager Expressを使った独自アプリケーションの開発も検討している。

 同社はこれまで,名古屋オフィスだけにPBX(構内交換機)を置いて内線網を運用していた。WANについても,従来はデータ系と音声系で異なるネットワークを使用していたが,これも今回統合した。クララオンラインの家本賢太郎社長は「東京での本格的な活動開始に合わせてIP電話の導入を決めた」としている。