オムロンは,国内81拠点の事業所や支店,営業所,工場の内線電話をIP化した。これまで内線電話は日本テレコムの音声VPNサービスを利用していたが,VoIP(voice over IP)で既存のWANに統合する。音声VPNサービスを中止することで,年間5000万円の通信コスト削減を見込む。

 音声の呼制御プロトコルには,将来性を重視してSIP(session initiation protocol)を採用した。既存のPBX(構内交換機)にVoIPゲートウエイを接続し,センター拠点に設置したNECのSIPサーバー「UNIVERGE SV7000」で拠点間の内線通話を制御する。

 WANは従来から利用している日本テレコムのIP-VPNサービス「Solteria」をそのまま使う。QoS(quality of service)オプションを使って音声を優先制御するが,チャネル数が少ない場合はアクセス回線にディジタルアクセス64を追加するなどして対処した拠点もある。音声の符号化方式はG.729(8kビット/秒)。ネットワークの構築は,AT&Tグローバル・サービスとNECが担当した。