高速無線LAN技術「MIMO」対応チップセットを開発する米エアゴー・ネットワークスは2月16日,日本法人「エアゴーネットワークス」の設立を発表した。昨年12月に登記済みで,既に営業も開始している。本社所在地は東京都港区。社長は米エアゴーのワールドワイドセールス担当副社長であるロバート・ディマルティーノ氏(写真)が兼務する。

 MIMOは「Multi Input Multi Output」の略で,次世代の無線LAN規格「IEEE 802.11n」の中核技術。2~4本のアンテナを同時に使ってデータの送受信を行う。帯域幅が20MHzで1チャネルを使う場合,理論値で最大108Mビット/秒の伝送速度を実現する。実効速度も「UDPパケットなら70Mビット/秒,TCPパケットなら40数Mビット/秒が出る」(エアゴーネットワークスの高木映児・技術本部長)。国内ではバッファローなどがエアゴーのチップセットを使った無線LAN製品を発表済み。

 ロバート・ディマルティーノ社長は「日本にも法人を持ち,日本の顧客をきちんとサポートすることが重要になってきた」と法人設立の理由を説明。無線LANアクセス・ポイントのようなパソコン周辺機器だけではなく,デジタル家電への組み込みなどを狙って,国内メーカーにチップセットの売り込みをかけるとしている。

(武部 健一=日経コミュニケーション