写真1 タケショウが設置する無線LANアクセス・ポイント搭載の飲料自動販売機。
写真1 タケショウが設置する無線LANアクセス・ポイント搭載の飲料自動販売機。
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写真2 自販機に搭載される無線LANアクセス・ポイント。
写真2 自販機に搭載される無線LANアクセス・ポイント。
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 自動販売機管理会社のタケショウは,10月26日から東京ビッグサイトで開催中のWPC EXPO 2005において,飲料自動販売機を利用した公衆無線LANサービス「フリーモバイル」を開始すると発表した。自販機にアクセス・ポイントを取り付け,中部地方を中心にサービスを展開する。「今後1年間で300カ所くらいに広げたい」(岩下雅樹フリーモバイル事業部統括グループ長)。

 同サービスでは,ユーザーは無料でインターネット接続が可能。アクセス回線の工事費や通信費はタケショウが負担し,ホテルや公共施設などに設置する。アクセス・ポイントやブロードバンド回線などは,FREESPOT協議会の提供する仕組みを利用する。タケショウは昨年秋から中部の約30カ所で実験サービスを展開していたが,本格開始の発表まで1年かかった。岩下グループ長は「サービスを発表しておいて中止になってはユーザーに申し訳ない。ビジネスとして成立するか時間を掛けて確認したかった」と理由を説明する。

 タケショウの狙いは,自販機を設置するエリア・オーナーへの訴求力の向上と飲料売り上げの拡大。ホテルのロビーなど人の多い場所は,自販機管理会社が激しい“縄張り争い”を繰り広げている。「当社の自販機を設置すれば,来客者向けの無線LANサービスが可能になるという形でエリア・オーナーに売り込みたい」(岩下グループ長)。さらに公衆無線LANサービスを呼び水に,自販機での飲料購入者を増やす狙いもある。

 当面,公衆無線LANサービス事業単体では利益は出ない。しかし将来的には,自販機を利用した少額決済サービスと組み合わせた事業も展開したいとする。岩下グループ長は「例えば,音楽ファイルをダウンロードする際,自販機でUSBキーやパスワードを購入するようなサービスも考えられる」と展望を語る。