パワードコムは5月24日,25日の2日間にわたってプライベート・イベント「POWEREDCOM FORUM 2005」を開催した。最終日最後のセッションで,東京電力の小川理・電子通信部通信インフラ技術グループマネージャーが登壇し,高速電力線通信(PLC:power line communication)の現状を語った(写真)。会場には約300人が詰めかけ,大入り満員の盛り上がりを見せた。

 小川マネージャーは冒頭で,高速電力線通信推進協議会(PLC-J)が展示会で実施したアンケートの結果を披露した。「電力線通信を知っているか」の質問に対して68%が知っていると回答。「電力線通信を使いたいか」に対しては,使ってみたいと答えた人が91%に上ったという。電力線通信への関心の高さをアピールした。

 続いて,世界各国でのサービス提供状況や電力線通信の利用状況などを説明。東京電力が実施中の実証実験のデータを紹介し,「電力線通信から大きな雑音が発生するとイメージしているかもしれないが,実際は環境雑音と変わらないレベルだと認識していただきたい」(小川マネージャー)と述べ,漏えい電界低減技術の進展ぶりを強調した。

 終盤には,現在総務省で進められている国内での実用化に向けた議論についても言及。「規制緩和に向けなんとか頑張っていきたい」(小川マネージャー)と,電力線通信を強力に推進する意志を明確にした。

(山根 小雪=日経コミュニケーション