フュージョン・コミュニケーションズは千葉市・幕張メッセで開催中のネットワーク総合展示会「Interop Tokyo 2005」で無償IP電話ソフト「Skype」との連携サービスを展示している(写真上)。同サービスによって,Skypeで公衆網からの着信を受けられるようになる。まずは企業向けに提供する(関連記事)。

 フュージョンは,自社のIP電話サービスを契約するユーザーにIP専用の「050」から始まる個人用の電話番号を付与。050番号への着信呼を,パソコン上のSkypeに転送することで実現する。ユーザーがパソコン上でSkypeを使っていないときは,企業内のIP電話端末やソフトフォンなどに着信させる。

 サービス時には,ネットワーク上にIP電話網とインターネット上のSkypeを接続する「SKYPEゲートウエイ」という機器を設置して運用する。ゲートウエイは,フュージョンとSkypeの開発・提供元のルクセンブルクのスカイプ・テクノロジーズが共同開発するが,「サービス時にどちらが運用するのかなど詳細は未定」(説明員)。連携サービスの投入時期や料金なども決まっていないが「近日中に試験を始めたい」(同)という。


 このほか,フュージョンはIP電話サービスのアプリケーション連携機能を参考展示している。「クリックコール」と呼ぶIP電話連携用のパソコン向けアプリケーションだ(写真下)。パソコン上で相手の名前をクリックすることで,二つの端末間でIP電話ができるようにする。今夏にも簡易版を無償で配布する見通し。

 クリックコールは,発信元と通話先の端末をIP電話網から呼び出し,フュージョンのIP電話網が中継することで通話を実現する。ユーザーの不在時に050番号に着信した際,携帯電話など任意の電話番号の端末に転送するサービスも投入する。

 フュージョンは,Skypeの連携サービスとクリックコールの投入で同社の050番号のユーザーを拡大を進める考え。一人1番号を推し進め,IP電話ユーザーの囲い込みを狙う。両サービスの連動も検討している。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション