イーアクセスは11月24日,モバイルWiMAXサービスの実現を目指して社長直属の「WiMAX推進室」を12月1日付けで新設すると発表した。(1)標準化作業への参加,(2)商用展開に向けた技術開発,(3)技術検証のための実証実験,(4)ビジネスモデルの検討などを実施する。狙いは,総務省が無線ブロードバンド用途に開放する2.5GHz帯の獲得とみられる。イー・アクセスは以前から,無線ブロードバンド用途への周波数の開放を求めていた(関連記事)。

 モバイルWiMAXとは,無線通信規格「IEEE 802.16e」を利用した次世代通信システム。携帯電話に匹敵するカバー・エリアと,無線LANと同等レベルの通信速度を実現する。現在,米国電気電子技術者協会(IEEE)や業界団体の「WiMAXフォーラム」で標準化作業を進めており,完了は2006年初頭になる見込みだ。

 WiMAX推進室をイー・アクセス内に設置したのは,子会社のイー・モバイルのリソースを携帯電話事業に集中させるという理由がある。同社は今月9日に総務省から認可を受けており,2007年3月から携帯電話サービスを開始する予定だ。WiMAX推進室のメンバーは,同社が以前検討していたTDD(時分割双方向伝送)方式の第3世代携帯電話規格「TD-CDMA」に関わった技術者などを中心に構成する。