米Infonetics Researchは,無線LAN(WLAN)に関して北米の企業に対して実施した調査の結果を英国時間10月20日に発表した。それによれば,2007年までに無線LAN上で音声通話ができる無線VoIP(VoWLAN)の導入する企業の数は,現在の10%からおよそ3倍の31%まで増加するという。これは,VoWLAN対応の電話機や音声対応の無線インフラの普及によってけん引されるという。

 同調査は,2006年までに導入を予定している240社を対象に実施したもの。WLANの普及率に関しては,同技術を導入している450社に対して行なった。

 同社アナリストのRichard Webb氏は,「従来の通話時間と距離をベースとする課金モデルは,VoIPによって破壊されつつある。VoIPが無線で利用できるようになれば,企業ユーザーにとってはチャンスとなるが,通信事業者にとっては大きな挑戦となる」と述べている。

 その他の主な調査結果は次の通り。

・WLANの導入は今後3年間で大きく拡大する。2009年までに北米の小規模企業の57%,中規模企業の62%,大規模企業の72%が導入すると予想される

-- The leading barriers to WLAN adoption are security and privacy
・セキュリティとプライバシ問題がWLAN導入の主な障害となっている

・WLANで実装されている主なアプリケーションは,イントラネット,VPNアクセス,ゲスト向けインターネット接続

・同技術の導入は,有線LANのバックアップ,無線ICタグ(RFID)のトラッキングにおいて重要視されている

・回答者の42%は,従業員によるWLANとその他の無線技術の利用法を定義するポリシーを備えている

・44%はWLANスイッチを導入することなくアクセス・ポイントを管理している。一元管理型のアーキテクチャが普及するため,このアプローチは2007年までに減少すると予想される

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