プロントコーポレーションとNTT-BP,米VLIの3社は11月11日,プロントが展開する「PRONTO」および「cafe SOLARE」の店舗で,無線LANを使ったVoIP(voice over IP)システムの社内トライアルを発表した。トライアルでは社員が持ち歩く携帯型IP電話機から,本社や店舗など無線LANのエリア内で内線通話ができるようにする。

 トライアルの対象者はプロントのスーパーバイザーなどの外勤者で,期間は11月14日から2006年3月末までを予定。端末にはNTTドコモの無線LAN/FOMAデュアル端末「N900iL」と日立電線の無線IP電話機「WirelessIP5000」を使用する。当初はN900iLを7台,WirelessIP5000を9台使ってトライアルを開始し,順次広げていく計画。

 VoIPで通信する範囲は,プロントの本社とプロントの店舗内,プロント社員の自宅。プロントの店舗内に設置したNTT-BPの無線LANアクセス・ポイント(AP)や,社員の自宅に設置した無線LAN APおよびインターネット接続環境を利用する。この範囲を「プロントイントラネット」と位置づけ,内線で通話できるようにする。内線区間の通話料は無料となる。

 NTT-BPの無線LAN網内にゲートウエイを設置して加入電話網と接続するため,0AB~J番号への発信や,代表番号+内線番号での着信も可能になる。

 社員の自宅やプロントの店舗での内線を実現するために,米VLIが開発したMMVS(mobile managed VoIP service)と呼ぶシステムを,NTT-BPの無線LAN網内に設置する。このMMVSはSIP(session initiation protocol)サーバーの機能や,NAT(network address translation)越えの機能などを備える。

 NTT-BPは,12月に同社が運営する公衆無線LANサービス「無線LAN倶楽部」のサービスを終了し,東西NTTやNTTドコモの公衆無線LAN設備を統括する事業者となる。NTT-BPでは,このトライアル結果を元に,「ASP(application service provider)として,NTTドコモや東西NTTなどの公衆無線LANサービスに提供していきたい」としている。