日立インフォメーションテクノロジー(日立IT)は3月1日,端末台数100台以下の小規模オフィスでの使用を想定した無線IP電話システム「SIP:Air」を発表,販売を開始した(写真)。FOMA/無線LANデュアル端末「N900iL」を使ったモバイル・セントレックスを安価に導入できるのが特徴。

 価格はオープンだが,20万円以下でSIP(session initiation protocol)サーバー機能を組み込んだ無線LANアクセス・ポイント「SIP:Air@MS」と,無線VoIP(voice over IP)端末「SIP:Air@Phone」2台の最小構成を導入可能。このシステムにN900iLを混在させて,保留や保留転送,話中転送などの機能をSIP:Air@Phoneとの間で相互利用できる。ただし現在はプレゼンス(在席確認)機能がなく,2005年第3四半期に対応する計画。

 日立ITではSIP:Airを音声系専用で使うことを想定している。SIP:Air@MS1台で,SIP:Air@PhoneやN900iLを10台程度接続可能。SIPサーバー機能を省いた無線LANアクセス・ポイント「SIP:Air@AP」(価格は3万円程度)をシステムに加えることで,最大100台程度にまで対応できる。また他社製品を含め,接続確認が取れたVoIPゲートウエイなどを順次推奨機器として公表していく予定だ。

(大谷 晃司=日経コミュニケーション