ネットギア日本支社は2月10日,複数アンテナを利用して無線LANの通信を高速化する技術「MIMO(multi-input multi-output)」を搭載した無線LANルーター「WGM124」(写真)を3月上旬に出荷すると発表した。同時に発表したMIMO搭載無線LANカード「WGM511」との間で最大108Mビット/秒の通信が可能。価格はオープンだが,参考価格はWGM124が2万9800円,WGM511が1万9800円である。

 MIMOは,IEEE802.11委員会が標準化を進める高速無線LANの規格「IEEE 802.11n」の中核として注目される技術。WGM124/同511では,米エアゴーネットワークスの「True MIMO」と呼ぶ技術を採用した。送信に2本,受信に3本のアンテナを利用して理論上108Mビット/秒の通信が可能なほか,「通信可能距離もIEEE 802.11gの2~3倍になる」(ネットギア日本支社)という。WGM124は,「WPA(Wi-Fi protected access)-PSK(pre-shared key)」による通信の暗号化機能,ステートフル・パケット・インスペクション方式のファイアウォール機能なども備える。

 エアゴーネットワークスの「True MIMO」を利用して最大108Mビット/秒の通信を実現した無線LAN製品は,既にプラネックスコミュニケーションズが出荷済みのほか,バッファローも3月上旬に出荷する予定である。IEEE 802.11nとして標準化されるのはまだ先の見込みだが,MIMOを搭載した製品は今後ますます増えていくと見られる。