シスコシステムズとネットマークスは6月30日,共同で構築を進めていた日興コーディアル証券のIP電話システムの全国展開が5月で完了したと発表した。日興コーディアルは2003年10月から導入を開始し,2004年5月から実際にユーザーでの利用を始めた。IP電話サーバーは「Cisco CallManager」,IP電話機は「Cisco IP Phone 7912G」を中心に1万150台を導入した。最終的には1万1000台弱のIP電話機を導入する予定。

 日興コーディアルのIP電話システムの特徴はアプリケーションとの連携を密にとっていること。(1)アドレス帳のクリックでIP電話が発信ができる「電話帳連携」,(2)ユーザーの居場所や状態を示す「プレゼンス管理」,(3)伝言を携帯電話や電子メールで確認できる「ユニファイド・メッセージ」,(4)ノート・パソコンなどにセットアップしたソフトウエアで通話ができる「ソフトフォン」――といったIP電話関連アプリケーションを導入している。今後,コール・センターのIP電話化にも取り組む。

 数万台規模のIP電話の導入事例としては東京ガスのケースがある。ただし東京ガスは当初1年程度で導入を終える予定だったが,PBX(構内交換機)の償却費見直しなどでスケジュールを大幅に変更している。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション