ライブドアは10月1日から東京の山手線内の地域で、公衆無線LANサービス「D-cubic(ディーキュービック)」を開始する。月額料金は525円と、先行するNTTコミュニケーションズ「ホットスポット」の1680円に対して3分の1以下。低価格を武器に、一気に市場を立ち上げたい考えだ。堀江貴文社長は6月15日の発表会で、「ソフトバンクの孫正義さんが2000円台でYahoo! BBを始め、ADSLは飛躍的に広まった。D-cubicはそのモバイル版」と語った。

 7月末から試験サービスを開始し、10月の本サービス開始までに、山手線内の地域に日本橋、銀座などを加えた2200カ所にアクセス・ポイントを設置する。2006年3月には東京23区内の6200カ所、同12月には関東圏6万カ所に設置する予定。2007年12月には、全国主要都市に展開する。

 アクセス・ポイントは電柱や自動販売機などに取り付け、エリア内なら携帯電話のように場所を選ばず使えるようにする。接続方式はIEEE802.11b/同11g。総投資額は100億~150億円になる見込みだ。

 ニッポン放送株の買収合戦で注目を集めたフジテレビジョンは、ライブドアとの業務提携の第一弾として、D-cubicに映像コンテンツを提供する。撮影現場からの映像伝送にライブドアの無線LANインフラを使うことも検討している。編成制作局長の山田良明氏(写真右)は「今後、この無線LANインフラを積極的に活用し、ライブドアとの業務提携をさらに深めたい」と語る。

本間 純=日経コンピュータ