電子機器メーカーの岡谷電機産業は2月,IP電話端末に沖電気工業の高音質IP電話機「e音IPフォン」を120台採用した。全国8拠点のうち,東京本社,大阪営業所,名古屋営業所の主要3拠点で移転を機に導入した。導入拠点ではすべての端末がe音IPフォンとなった。

 e音IPフォンは従来のIP電話機やアナログ電話機の約2倍の音声周波数帯域を伝送可能な製品。広帯域音声符号化方式である「G.722」を採用する。岡谷電機産業は「これまでも拠点間の音声通話をVoIP化していたが,音質に不満があった。音質の良さを評価してe音IPフォンの導入を決めた」としている。音質の良さがコミュニケーションを円滑化し,伝達内容の理解精度の向上などを期待しているという。

 同社ではe音IPフォンの呼制御方式に企業内IPセントレックスの形態を採用した。東京本社に沖電気のSIPサーバー「IP CONVERGENCE Server SS9100」を1台設置し,東京本社だけではなく,IP-VPN経由で大阪営業所と名古屋営業所のe音IPフォンも制御する。

(武部 健一=日経コミュニケーション