2005年12月のジェイコム株誤発注をきっかけに始まったみずほ証券と東京証券取引所の裁判がようやく決着した。最高裁判所が2015年9月3日、双方の上告を退けたのだ。これより東証に約107億円の支払いを命じた第二審の判決が確定した。
この裁判では「ソフトのバグが重過失に当たるか」が大きな争点になったため、IT業界で注目を浴びていた。東京高裁は「速やかに売買停止の権限を行使しなかったのは、東証の重過失に当たる」として東証に約107億円の支払いを命じたものの、ソフトのバグが重過失とは認めなかった。みずほ証券は誤発注を取り消せずに400億円を超える損失を出したのは東証のシステムにバグがあったためと主張、東証に対して約415億円の損害賠償を求めていた。
事件が起こってからおよそ10年。ITproはこの両社の動向と裁判を追ってきた。これまでの経緯は以下にまとめた過去記事のリンクで確認してほしい。
2013/04/01 | 緊急特集!みずほ証券-東証裁判の争点を洗い出す(目次) |
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2013/04/01 | 誤発注裁判が改めて問う「バグは重過失か」 |
2013/04/02 | [論点1]バグによる損害は誰がどこまで補償するのか |
2013/04/03 | [論点2]適切なテストを行えば発見できたか |
2013/04/04 | [論点3]どんな開発手法を適用すべきか |
2013/04/05 | 特許庁、開発ベンダーと契約解除に至らず |
2009/12/11 | 「あり得ない間違い」に異議あり、みずほ証券株誤発注裁判に思う |
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2009/12/21 | 株誤発注裁判の判決は、IT業界にプラスかマイナスか |
2010/01/12 | 株誤発注裁判の判決に6割が疑問、ITpro緊急調査で判明 |
2013/07/29 | 「本件バグは重過失とは認められない」---みずほ証-東証判決、あなたはどう見る? |
2013/08/08 | 「本件バグは重過失でない」との高裁判断に「妥当」が6割、みずほ証-東証裁判で |
2013/08/22 | 誤発注裁判、みずほ証券が上告、最高裁にかかる「最後の期待」 |