みずほ証券の株誤発注を巡る裁判の第3回口頭弁論が4月13日、東京地裁で開かれた。原告のみずほ証券は、この日までに被告の東京証券取引所が地裁に提出した売買システムの不具合に関する説明資料について、「核心部分の説明が不十分」(みずほ証券の原告訴訟代理人弁護士である岩倉正和弁護士)と指摘。2種類の追加資料を東証側に求める申立書を東京地裁に提出した。

 2月9日に開催した前回の口頭弁論で、裁判長からシステムの不具合に関する資料の提出を求められた東証側は、売買システムの開発を担当した富士通から受け取ったトラブルの発生原因に関する調査資料などを、4月13日までに東京地裁に提出した。この資料には、ジェイコム株の誤発注が取り消せなかった原因や不具合の発生条件、バグの対象プログラム名などが記載してあるとみられる。

 これに対し、みずほ証券側が追加で求めた2種類の資料は、一つが2006年1月31日付で東証側が金融庁に提出した「業務改善報告書システム一斉点検に関する報告書」の別紙2「みなし処理の取消処理に係る不具合の発生状況について」と題する文書。もう一つが、トラブルの原因となったプログラムのソース・コードなどである。ソース・コードは、バグを修正する前後のバージョンをそれぞれ求めている。

 裁判長は、みずほ証券側の主張を踏まえ、東証側に追加資料の提出を求めた。さらに、トラブルの原因を議論するには、売買システムの開発に関する東証と富士通の役割分担を明確にする必要があるとの考えに基づき、売買システムの開発に関する契約関連資料の提示も要求。東証側は了承した。6月8日の次回弁論までに、バグの詳細や具体的な修正方法、売買システムの開発に関する東証と富士通の役割分担などを示す資料が、ようやくそろうことになりそうだ。

 この裁判は、2005年12月にジェイコム株の誤発注により400億円を超える損失を出したみずほ証券が、誤発注を取り消せなかったのは東証のシステムの不具合が原因だとして、東証に約415億円の損害賠償を求めたものである。