東京証券取引所は2009年12月14日、株誤発注の損失を巡るみずほ証券との裁判で、12月4日に東京地方裁判所が東証に約107億円の損害賠償を命じた判決(関連記事)について、控訴を見送ると発表した。みずほ証券は引き続き対応を検討している。

 東証は次のようなコメントを発表した。「判決内容についてさまざまな角度から十分な検討を行った結果、重要な論点のほぼすべてにおいて当取引所の主張が認められながらも当取引所に賠償責任があるとされたことは残念ではあるが、過去の問題に必要以上の時間を浪費するよりも、日本経済の回復に貢献すべく全力を尽くすことが最良の策だとの結論に至った」。

 今回の裁判について、東証は「誤発注事件が訴訟にまで発展し、投資者など関係者に迷惑をかけたことをお詫びする。ふたたび同様の問題が生じることのないよう、今回の裁判所の判断を真摯に受け止め、投資者が安心して投資を行える証券市場の提供に努める」としている。