みずほ証券の株誤発注を巡る裁判の第6回口頭弁論が11月16日、東京地裁で開かれた。原告のみずほ証券は、被告の東京証券取引所がこの日までに提出したテスト結果に関する書類について、「書類によって障害件数が一致しない」と指摘。東証に対し、テスト結果を記した「原資料」の提出を求める「求釈明申立書」を11月8日付で地裁に提出した。

 元々みずほ証券は、不具合の対象となるプログラムの設計書とソース・コード、対象のプログラムに関係するテスト項目とテスト内容、テスト結果、不具合に関係する東証と富士通との連絡文書、富士通が東証に提出した不具合の報告書を作成する際に参照したテスト結果などの提出を求めていた。

 こうした求めに応じて東証が提出したテスト結果に関する書類をみずほ証券が確認したところ、例えば「第5回総合テスト」の障害件数は31件となっているが、別の提出書類には13件と示されているという。さらに、2000年3月発行の「東証だより 3月号」には、36件と記述してあるという。みずほ証券は、「テスト結果を記した原資料を提出してもらわないと実態が分からない」(原告訴訟代理人弁護士の岩倉正和弁護士)としている。ソース・コードなどは、まだ提出されていない。

 この日の口頭弁論では、裁判長が東証側に対して、求釈明申立書への準備を要請。加えて、業務規程における売買停止とは、誰が何をする行為なのかを明確に主張するよう求めた。次回口頭弁論は2008年1月18日の予定だ。

 この裁判は、2005年12月にジェイコム株の誤発注により400億円を超える損失を出したみずほ証券が、誤発注を取り消せなかったのは東証のシステムの不具合が原因だとして、東証に約415億円の損害賠償を求めたもの。2006年12月の裁判開始から1年近く経過するが、なかなか進展していない。