みずほ証券が東京証券取引所に対し、東証の売買システムのバグに伴う損失など400億円超の賠償を求めていた裁判の控訴審が2013年3月18日、結審した。判決日は2013年7月24日。それに先立ち、東京高裁は4月に両社に対して和解を勧告する。この和解案をいずれかが受け入れなければ、7月に判決が言い渡される。

 この裁判は、2005年12月にジェイコム(現・ジェイコムホールディングス)株の誤発注で損失を出したみずほ証券が、発注を取り消す注文が売買システムのバグで処理されなかったことが損失を拡大させたとして、東証に取り消し注文以降の損害額など約415億円の賠償を求めたもの。2009年12月、東京地方裁判所が東証に107億円強の支払いを命じる判決を下したが、双方が控訴していた。

 この控訴審は、バグを含むソースコードが初めて開示され、コードの分析を基にソフトウエア工学の専門家が論争を交わすという、ITにかかわる訴訟としては異例の展開になった。東証は2012年2月、東京高裁の勧告に応じ、バグを含むプログラムモジュールのソースコードを開示。みずほ証券は複数の鑑定人に依頼してソースコードを解析した上で、「基本的かつ簡単なテストでバグは発見・修正できた」などとして、東証に重過失があったと主張していた。