「みずほ証券からの多額の損失負担請求に応じる考えはない」と語った東京証券取引所の西室泰三社長
「みずほ証券からの多額の損失負担請求に応じる考えはない」と語った東京証券取引所の西室泰三社長
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 東京証券取引所の西室泰三社長は8月22日に開いた定例記者会見で、昨年12月8日にみずほ証券がジェイコム株を誤発注し、約407億円の損失を計上した問題について、同証券から「404億円の損失負担を求める催告書を8月18日に受け取った」ことを明らかにした。

 催告書によると、支払い期限は9月15日。東証が支払いに応じない場合は、民事訴訟の提起など法的措置に訴えることもあり得るとしている。請求額の404億円の根拠について、東証は「みずほ証券から説明は受けていない」(西室社長)という。

 東証とみずほ証券は誤発注の損失負担について、今年3月後半から8月までに11回の話し合いの場を設けてきた。ただ、話し合いは当初からまったくの平行線をたどってきたという。西室社長によれば、みずほ証券は「みずほ証券の手続き的な間違いが誤発注の発生原因だが、東証のシステムで取り消し処理ができればここまでの問題にはならなかった。取り消しができなかったことが事件の根幹であり、大方の損失については東証に責任がある」と主張しているという。一方東証の主張は、「故意または重過失はなく、多額の弁済をする必要はない」というもの。今後も話し合いを続けていくが、司法の場での解決もやむなしと考えているという。

 また、西室社長は、売買システムを開発した富士通との関係について、「現時点で東証に損害が発生していないため、富士通とは損害賠償にかかわる話し合いはしていない」と述べた。

 今回の件について、みずほ証券は「催告書を送ったことは事実だが、あとは当事者間の協議の話。内容については公表できない」としている。