経済産業省が試算したIT機器の消費電力量。2025年には2006年の約5倍になると試算。ネットワーク機器の消費電力量は13倍に。
経済産業省が試算したIT機器の消費電力量。2025年には2006年の約5倍になると試算。ネットワーク機器の消費電力量は13倍に。
[画像のクリックで拡大表示]

 真夏の昼下がり、冷房が止まったオフィスで汗だくになる――。現実になってほしくはないが、東京電力の管内では、そういうことも想定しなければならないのだろうか。ご存知のように、東日本大震災の影響で、今年の夏は東電管内でピーク時電力が大幅に不足すると予想されている。このため政府は、電気事業法に基づき大口需要者に対して最大消費電力に限度を設ける「使用制限」措置を検討しているほか、業界団体などを通して企業に自主節電を要請している。

 今夏の電力不足を乗り切るためにどれほどの対策が必要なのか、具体的なことはまだ分からないが、これまで以上に厳しい節電をしなければならないだろう。電力需要が最も大きくなる7月~8月まで、あと3カ月ほどだ。

 IT関連分野では、サーバー仮想化やグリーンITなど、節電につながる取り組みはたくさんある。これらの取り組みを新たに始めたり、強化したりして少しでも節電に協力したいものである。そこでサーバー、パソコン、ネットワーク、電源について、省電力化のための解説記事をまとめて紹介する。

節電関連の最新ニュース

Windowsの節電方法と停電対策、日本マイクロソフトが特設サイトを公開

節電に協力できるWindows向け省電力化ソフト、オプティムが特別版を無償配布

レノボの新ノートPC、電力ピーク時にバッテリー駆動に切り替え

クオリティソフト、PC節電支援ツールを無料配布

ぐるなび、「節電営業中」や売り上げ寄付を行う「被災地応援」飲食店情報を紹介

明日から始める「グリーンIT」

 やみくもに省電力対応型の最新ハードを導入すればよいわけではない。既存のハードについても、サーバーの設置環境やパソコンの設定変更など、すぐに着手できる項目は少なくない。

第1回 情報システムの省電力化が急務に

第2回 高性能か省電力か、二極化するPCサーバー

第3回 サーバーの設置環境を見直す

第4回 クライアントの電源設定を集中管理

グリーン仮想化環境の設計

 仮想化によるサーバー統合と省電力化を成功させるには、きちんとした設計が必要になる。消費電力を7分の1に削減することも可能だ。

第1回 ハードの進化を生かした省電力設計を

第2回 リソースの利用率上限は60%が目安

第3回 仮想化では、ストレージの性能劣化に注意

第4回 いよいよ仮想化環境の構成を検討

第5回 消費電力を7分の1に削減することも可能

パソコンの消費電力を極める

 どんなケースでどれくらい電力を食うのか実験を通じて解明する。さらに手軽な節電テクニックも紹介しよう。

第1回 意外と知らない消費電力の実態

第2回 パソコンは眠らせられる

第3回 Vistaノートの消費電力を測ってみた

第4回 電源オプションを極める[XP編]

第5回 電源オプションを極める[Vista編]

サーバーの省電力技術

 プロセッサやメモリー、HDD、電源、ファンなど、消費電力が大きいサーバー部品の省電力技術について詳しく解説する。

第1回 消費電力が性能向上のボトルネックに

第2回 プロセッサの周波数を制御する

第3回 ハードディスク内部の消費電力を抑える

第4回 サーバー仮想化は省電力の切り札

ネット管理者のためのグリーンIT

 ネットワーク機器の消費電力は20年で13倍に膨らむと予想され,低減を迫られている。企業のネットワーク管理者にとってグリーンITは無視できない。

第1回 「20年で13倍」に歯止めをかける

第2回 ネットで監視し消費電力を抑制

第3回 センサー・ネットでサーバー周りの温度を管理

第4回 省電力化を売り物にする最新データ・センター

ITエンジニアのための電源設計

 電源を無視してITインフラを構築・運用するのは困難である。省電力化も求められている。IT部門がぜひ知っておきたい電源設計の基本を解説する。

第1回 IT機器の電源設計は手を抜けなくなってきた

第2回 IT機器の電源設計の基本を理解する

第3回 100V給電と200V給電、どちらを選ぶか

第4回 電源設計/運用の“落とし穴”に注意せよ

絵で見るUPS(無停電電源装置)

 これからしばらくは、突発的な停電が起こるリスクが増すことを念頭に置くべきだ。これに備え、増え続けるサーバー機に見合った給電能力があるか、バッテリー寿命がつきていないかなど、UPS関連のチェックをお忘れなく。

第1回 UPSはこんな電源障害を解消する

第2回 UPSの自動シャットダウン/自動起動の仕組み

第3回 UPSはどんなモジュールからできているのか

第4回 UPSには三つのタイプがある

第5回 UPSの管理性と可用性を高める仕組み