真夏の昼下がり、冷房が止まったオフィスで汗だくになる――。現実になってほしくはないが、東京電力の管内では、そういうことも想定しなければならないのだろうか。ご存知のように、東日本大震災の影響で、今年の夏は東電管内でピーク時電力が大幅に不足すると予想されている。このため政府は、電気事業法に基づき大口需要者に対して最大消費電力に限度を設ける「使用制限」措置を検討しているほか、業界団体などを通して企業に自主節電を要請している。
今夏の電力不足を乗り切るためにどれほどの対策が必要なのか、具体的なことはまだ分からないが、これまで以上に厳しい節電をしなければならないだろう。電力需要が最も大きくなる7月~8月まで、あと3カ月ほどだ。
IT関連分野では、サーバー仮想化やグリーンITなど、節電につながる取り組みはたくさんある。これらの取り組みを新たに始めたり、強化したりして少しでも節電に協力したいものである。そこでサーバー、パソコン、ネットワーク、電源について、省電力化のための解説記事をまとめて紹介する。
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明日から始める「グリーンIT」
やみくもに省電力対応型の最新ハードを導入すればよいわけではない。既存のハードについても、サーバーの設置環境やパソコンの設定変更など、すぐに着手できる項目は少なくない。
グリーン仮想化環境の設計
仮想化によるサーバー統合と省電力化を成功させるには、きちんとした設計が必要になる。消費電力を7分の1に削減することも可能だ。
パソコンの消費電力を極める
どんなケースでどれくらい電力を食うのか実験を通じて解明する。さらに手軽な節電テクニックも紹介しよう。
サーバーの省電力技術
プロセッサやメモリー、HDD、電源、ファンなど、消費電力が大きいサーバー部品の省電力技術について詳しく解説する。
ネット管理者のためのグリーンIT
ネットワーク機器の消費電力は20年で13倍に膨らむと予想され,低減を迫られている。企業のネットワーク管理者にとってグリーンITは無視できない。
ITエンジニアのための電源設計
電源を無視してITインフラを構築・運用するのは困難である。省電力化も求められている。IT部門がぜひ知っておきたい電源設計の基本を解説する。
絵で見るUPS(無停電電源装置)
これからしばらくは、突発的な停電が起こるリスクが増すことを念頭に置くべきだ。これに備え、増え続けるサーバー機に見合った給電能力があるか、バッテリー寿命がつきていないかなど、UPS関連のチェックをお忘れなく。