今がどんな時期なのかを知るには,年表を作るとよい。一つひとつの出来事を見ているだけでは分からないことも,いくつもの出来事を時系列で並べてじっと眺めていると,出来事の意味が浮かび上がってくる。年の瀬も押し迫った今は,2008年がどういう年だったのかを振り返るのにちょうどよいだろう。
情報システムのアーキテクチャは「ホスト集中」「クライアント/サーバー(C/S)」「Web」と進化してきた。メインフレームの名機「IBM System/370」が登場したのが1970年。80年代にはオフコンが普及するが,90年代に入るとC/Sに主役の座を取って代わられ,2000年代にはWebシステムが台頭する。つまり,情報システムは10年周期で新しいアーキテクチャが生まれている。その転機は,各10年代の後半に芽吹いている。
だとすると,2008年はWebシステムが主流だった時代の終盤であり,“ポストWebシステム”の芽が出てきた年ではないかと思われる。では,ポストWebシステムとはどんなものなのだろう。それを考えるために,2008年の主な出来事を月ごとに並べてみた(表)。