米Yahoo!は2008年3月5日(米国時間),新たな取締役の指名期限を延期した。この対抗策で,米Microsoftによる敵対的買収をなんとか遅らせることはできる(関連記事:Yahoo!が取締役候補指名を延期,Microsoftの敵対的行為に対抗)。以前からMicrosoftは,3月中旬に予定されていた指名手続きに従い,446億ドルの買収提案を前向きに考える取締役会と入れ替える計画を表明していた(関連記事:ついに開戦! MicrosoftがYahoo!株主の委任状獲得に乗り出す)。

 Yahoo!の出した声明には「当社の取締役会は株主に最大の価値を提供できるよう常に行動している」とあった。「指名期限を延期したことで,候補者を指名する猶予期間があらゆる陣営に与えられる。その結果,取締役会は,委任状争奪戦の混乱を避けつつ株主への価値を最大化するすべての代替戦略を引き続き検討できる」(Yahoo!の声明)。

 Yahoo!は,新たな指名期限を年次株主総会の開催日を発表した日の10日後としている。株主総会の日程はまだ決まっていないが,同社の定款から判断すると2008年中盤には開催されるはずだ。

 メディアの報道によると,Yahoo!はMicrosoftの買収に代わる道を引き続き模索するらしい。例えば米The New York Times紙は,Yahoo!がオンライン広告市場トップの米Googleと競争できるよう体制を強化するため,米Time Warnerとのあいだで米AOL買収に向けた交渉を進めていると報じた(奇妙なことに,Googleは出資比率10%のAOL株主であるにもかかわらず,Yahoo!とAOLの合併を支持している)。さらに,Yahoo!はソーシャル・ネットワーキング・サービス「MySpace.com」との統合も視野に入れた提携交渉を米Newsと続けている(関連記事:Yahoo!が株主あて書簡で「提携交渉を続ける」と約束,News Corp.との提携も模索)。