台湾アスーステック・コンピューターの日本法人アスース・ジャパンは2008年1月23日、約5万円と低価格のノートパソコン「Eee PC 4G-X」の発表会を開催した。海外モデルのOSはLinuxだったが、日本版ではWindows XP Home Editionを採用した。同社では、従来のノートパソコンとは異なるMID(モバイル・インターネットコミュニケーション・デバイス)という新しい分野の製品と位置づけ、ユーザー層の拡大を狙う。
Eee PCの日本国内における2008年の販売目標は60万台。国内の個人向けパソコンの年間出荷台数を548万9000台(MM総研調べ、2006年度)とすれば、実に1割以上の数となる。ただ「現状で生産が追いついていない状態」(杜 啓宇セールス&マーケティング事業部 マネージングディレクター)であり、実際の目標達成には不透明感も残る。
マイクロソフトはWindows XPの正規OEMライセンス提供期間を6月末までと定めている。これについては「通常のパソコンについては6月末までだが、Eee PCについてはWindows XPの提供を2009年半ばまでに伸ばしてもらえるように交渉している。Eee PCはMIDという新しい分野の製品であり、その点についてはマイクロソフトにも理解をしてもらえている」(杜 啓宇氏)と、継続販売に楽観的な見通しを示した。
OSにWindows XPを採用した理由については「LinuxとWindowsで迷ったが、マイクロソフトとのパートナー関係を重視した」(杜 啓宇氏)という。Eee PCには、マイクロソフトのネットサービス「Windows Live」のクライアントソフトをインストールした状態で出荷する。マイクロソフトとしても、モバイル用途の利用が期待できるEee PCにソフトを添付すれば、ネットサービス拡大の足がかりになるというわけだ。
OSの違いだけではなく、EeePCの日本版には海外版にはない特典を付けた。液晶ディスプレイにドット抜けの輝点がある場合は購入後30日以内で無償交換する。さらに、SSDの容量不足を補うために4GBのSDメモリーカードも添付する。また、エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォームの公衆無線LANサービス「Wi-Fine」を2008年5月末まで無料で利用できる。