もつれ合ったままの状態が1カ月半にわたって続いた米Microsoftと米Yahoo!は2008年3月第3週,それぞれの代表者の出席する初会談を密かに開いた。この席でMicrosoftは,Yahoo!に対して合併計画を説明した。

 ご存じのように,Microsoftは446億ドル規模の敵対的な株式公開買い付けをYahoo!に仕掛けている。これに対し,Yahoo!は当然のことながら,Microsoftがすっかり買収計画を忘れてほかに関心を向けるよう願い,買収提案を無視するためにあらゆる手段をとった。

 会談の内容は不明だが,取り上げられた話題は「ビジョン」(例えば,今回の買収が実現した場合に,両社のオンライン事業をどう統合するか)に限られ,法律や財務に関する問題が議題に上らなかったことは分かる。

 筆者が長年の経験で学んだことがあるとすれば,コミュニケーションはいずれ理解の役に立つ,というものだ。Microsoftとしては,これまで1カ月半かけてやっと達成したよりも大きな成果を会談で得られただろう。