調査内容 グリーンITへの取り組み状況
調査時期 2008年5月中旬~下旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 3135件((1)1051件,(2)676件)
( )内は,(1)自社の情報システムの担当者,(2)他社(顧客企業,親会社など)のシステム業務担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に実施している月次調査で,「グリーンIT」に対する取り組み状況を聞いたところ,IT機器やデータセンターの消費電力削減などの「ITの省エネ」活動は,回答者の約1/4が「全社的活動として」,約15%が「部門、事業所などの活動として」,組織的に取り組んでいるという状況が明らかになった。

 ちなみにITpro Researchでは,2007年9月に実施した「企業のデータセンター利用に関する調査」の中で,「ITの省エネ」関連の意識と対策の実施状況を聞いている(関連記事)。この時は「企業としてのCO2削減目標や行動計画が設定され、IT機器の省電力化によるCO2削減も求められている」とした回答の比率は24.1%(n=352),特に従業員が1000人以上の企業では32.4%だった。

 今回は設問の表現がやや異なるが,「ITの省エネに全社的活動として取り組んでいる」とした回答の比率は24.7%。図示していないが,自社システムの担当者に限った集計では22.7%,さらに「利用者1000人以上の自社システムの担当者」に限ると33.7%(n=306)。約9カ月前とほぼ同じ結果だった。

 グリーンITは「ITの省エネ」だけでなく,IT機器の廃棄などに関する「ITの環境負荷軽減」,ITの活用で廃棄物や輸送量などの低減を図る「ITによる省エネ」への取り組みも重要な柱とされている(関連記事)。今回はこの2つの側面への取り組み状況も聞いてみた。

 「IT活用による省エネ」への取り組み状況は「ITの省エネ」とほとんど同率で,「全社的活動」で24.2%,「部門、事業所の活動」で16.2%。図示していないが自社システムの担当者に絞った集計では「全社的活動」22.0%,「部門、事業所の活動」15.2%で,「ITの省エネ」(順に22.7%,12.7%)と同等かやや上回る関心度だった。

 さらに組織的な取り組みが進んでいたのが「ITの環境負荷軽減」。「ITの省エネ」「ITによる省エネ」より「全社的活動」に取り組んでいるとする比率が約5ポイント高い。自社システムの担当者に絞った集計でも「全社的活動」26.8%,「部門、事業所の活動」14.6%と,グリーンITの3側面の中で最も高い実践率だった。

 明日以後の記事では「ITの省エネ」を中心に,具体的な解決策の採用率,省電力機器やシステム/ツールの導入による消費電力削減の期待値,さらにそれらのハード/ソフトの導入コストの回収期間についての期待値についての調査結果を報告する。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,「IT機器やデータセンターの消費電力削減など「ITの省エネ」活動」,「廃棄するIT機器の資源化(リサイクル、リユース)など「ITの環境負荷軽減」活動」,「ITの活用で節電、廃棄物削減、輸送量削減など環境への負荷の低減を図る「ITによる省エネ」活動」の3つの「グリーンIT」への取り組み状況を聞いた。
 調査実施時期は2008年5月中旬~下旬,調査全体の有効回答は3135件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした有効回答は1051件。「他社(顧客企業、親会社など)の情報システムにかかわる仕事をしている」とした有効回答は676件。

図●回答者が情報システムを担当している企業での「グリーンIT」への組織的取り組み