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【解説】米Microsoft,迷走の末の「Yahoo!買収」提案

中田 敦=ITpro 2008/02/02 ITpro
写真●米MicrosoftのCEOであるSteve Ballmer氏(左)と,米Yahoo!のCEOであるJerry Yang氏(右)
写真●米MicrosoftのCEOであるSteve Ballmer氏(左)と,米Yahoo!のCEOであるJerry Yang氏(右)
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 Yahoo!の後追いだったWeb 1.0型(=ポータル・サイト)の「MSN」を捨て,Google後追いの「Live」を始めたはずの米Microsoftが,いつしかMSN路線を復活させ,最終的にYahoo!買収に至った---。Microsoftが2月1日に発表したYahoo!に対する買収提案からは,オンライン広告分野で苦悶するMicrosoftの姿が浮かび上がる(写真)。

 MicrosoftがYahoo!に対して買収を提案した唯一の目的は,当然の事ながら,オンライン広告市場を支配する米Googleの追撃である。しかし,Google追撃の手段がなぜ,一度諦めたYahoo!の買収なのだろうか(Microsoftは今回,2006年末から2007年初めにかけて,Yahoo!と同社の買収に関して協議したことを明らかにしている)。ここ数年のMicrosoftのオンライン事業を巡る動きを振り返ってみよう。

 Microsoftが「Live」ブランドでGoogleを追い上げると発表したのは,2005年11月のことである(関連記事:米Microsoft,Ajaxを活用したオンライン・サービス「Windows Live」「Office Live」を開始)。Liveサービスの狙いは当時から「広告」であり,Ballmer氏は「Microsoftの事業で今後最も成長するのは広告ビジネスだ」と力説していた。

 Liveを始めるまで,Microsoftのオンライン事業の中心は,米Yahoo!を仮想敵とする「ポータル・サイト」の「MSN」だった。MSNにおける検索サービスやソフトウエア・サービスの比重は小さく,収入の中心はニュース記事や動画などのメディア・サービスと,それに伴う広告ビジネスだった。

 しかしMicrosoftは「Yahoo!型のMSN」を捨て,「Google型のLive」に全力を投入。ユーザーになじみの深い無料メール・サービス「Hotmail」を「Windows Liveメール」に,「Windows/MSNメッセンジャー」を「Windows Liveメッセンジャー」に,ポータル・サイトのMSNをLive.comに模様替えすることさえ模索した。MSN時代の経営幹部も2006年春には次々と社を去り,その様子は「MSNメルトダウン」と表現されたほどである(2006年12月の関連記事:Windows Liveの影に『MSNメルトダウン』)。

わずか1年でYahoo!型に回帰

 しかし,MicrosoftのLive路線は,思ったほどの成果を上げられなかった。Live構想を発表したわずか1年後の2006年末に,MicrosoftがYahoo!と買収交渉を始めていたことこそが,同社の苦境を物語っている。

 この苦境は,直近の決算にもはっきりと表れている。Microsoftの2007年10~12月期決算におけるオンライン・サービスの売上高は,前年同期比38%増の8億6300万ドル。米Googleの2007年10~12月期決算の売上高48億2668万ドル(前年同期比51%増)と比較すると,額・伸び率ともに大きく見劣りする。

 2007年に入ると,MicrosoftがGoogle路線とYahoo!路線の狭間で悩むのをあざ笑うかのように,Google自身がYahoo!やMSNのテリトリーに進出し始めた。Googleは2007年5月にディスプレイ広告(バナー広告)に強い米Double Clickを買収。いよいよメディア向けの広告ビジネスでも,Googleは無視できない存在になった。Microsoftも,同じくディスプレイ広告に強い米aQuantiveを60億ドルで買収して,Googleになんとか対抗を図る。

 しかしGoogleは手を緩めない。2007年秋には,携帯電話機プラットフォーム「Android」を発表。Microsoftとしては,「Windows Mobile」を担ぐスマートフォン向けOS市場を侵食されるだけでなく,携帯電話機向け広告でもGoogleの後塵を拝するおそれが出てきた。

 結局Microsoftとしては,無理にでもYahoo!を買収せざるを得なくなった,というのが実情なのだろう。キーワード広告ではGoogleに追いつけないとしても,Googleがディスプレイ広告や携帯向け広告を制するまでは,まだ時間がかかりそうだ。Yahoo!も,この1年で目立った成果を上げていない(例えばYahoo!の携帯向けサービス「Yahoo! Go」は,未だに賛同メーカーが極めて少ない。関連記事:携帯で「Flickr」,Yahoo!創業者のYang氏が「Yahoo! Go 3.0」を披露)。その意味で,Yahoo!を買収する環境は,1年前より改善されている。

 それでも,MicrosoftによるYahoo!の買収や,買収後のGoogle追撃が成功するかは未知数である。Bill Gates氏の後継者としてChief Software Architectに就任したRay Ozzie氏は,Microsoftがオフィス・ソフト(MS Office)やエンターテインメント・ソフト(Xbox 360など)で強みを持っているユーザー・エクスペリエンス技術を,Yahoo!の検索やソーシャル・メディアに「注入」することで,イノベーションを実現すると力説する(OSについて語らなかったのは印象的だ)。しかし,Ozzie氏が強いと語るユーザー・エクスペリエンス分野には,Googleと密接な関係を持つ米Appleという強力なライバルがいる。

 Microsoftからの「求愛」に対して,まずはYahoo!の経営陣や株主がどのような判断を示すか,しばらくは目が離せない。

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