写真1:広告ビジネスへの熱意を語るSteve Ballmer CEO
写真1:広告ビジネスへの熱意を語るSteve Ballmer CEO
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写真2:Windows,Office,Xboxの「Liveプラットフォーム」
写真2:Windows,Office,Xboxの「Liveプラットフォーム」
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写真3:「マイクロソフト広告ネットワーク」という概念が示された
写真3:「マイクロソフト広告ネットワーク」という概念が示された
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写真4:ユーザーの嗜好を分析した,より効果の高い広告が可能になるという
写真4:ユーザーの嗜好を分析した,より効果の高い広告が可能になるという
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 米MicrosoftのSteve Ballmer CEOは11月17日,東京都内で同社の広告ビジネス展開に関する講演を行った。Microsoftは11月1日に,広告収入をベースにユーザーに無料でアプリケーション・サービスを提供する「Windows Live」と「Office Live」を発表している。Ballmer CEOは40分強の講演中,同サービスで提供するアプリケーションの具体像には一切触れず,「Microsoftの広告ビジネスは,現在のテレビや新聞に匹敵する広告媒体になる」「Microsoftの分野別事業収入の中で,今後5年間最も成長するのは広告ビジネスになる」などと,同社が広告ビジネスにかける並々ならぬ熱意を語った(写真1)。

 Ballmer CEOは冒頭,同社がここ数年言い続けている「デジタル・ライフスタイル」や「デジタル・ワークスタイル」といった概念について触れた。「これからは,日常生活や仕事現場のあらゆるシーンで,パソコンなどのコンピュータが使われるようになる」という主張である。Ballmer氏はこの概念を引き合いに出して,コンピュータは人々が暮らす上で最も頻繁に接触するメディアであり,だからこそ広告メディアとして有望である——という主張を展開したのだ。

 Microsoftは,Windows LiveやOffice Live,そしてゲーム機Xbox用の「Xbox Live」を「Liveプラットフォーム」と呼んでいる。Liveプラットフォームは,Microsoftやサード・パーティがエンドユーザーに対して様々なサービスを提供するプラットフォームであると同時に,広告主に対して広告サービスを提供するプラットフォームであることが強調された(写真2,写真3)。

 Liveプラットフォーム上でどのような広告が行われるのか,具体的な説明はなかった。しかし表示される広告の特徴について「ユーザーに違和感を感じさせる,ビックリさせるような広告は表示されない」「ユーザーにとってより情報としての価値が高い広告が表示される」と説明した(写真4)。これはWindows LiveやOffice Liveにおけるユーザーの行動などを分析して,ユーザーの好みなどを把握することで実現するという。

 Ballmer CEOによれば,同社の事業収入に占める広告収入の割合は,現在のところMSNによるものが中心であり,そう大きくはないという。しかし今後5年間のスパンで見ると「最も成長するのは広告ビジネスになる」と述べ,テレビや新聞に匹敵する広告媒体になると主張した。

 Windows Live,Office Liveなどのサービスや広告ビジネスの展開は,日本でも強化する。規模についても「2006年に日本のMSN部門は人員を倍にする予定」(Ballmer CEO)だという。