米Microsoftが米Yahoo!に買収を提案した(関連記事:「グーグルの独占を阻止する」,米MSのバルマーCEOがヤフー買収提案で会見)ことについて,米Googleは米国時間2008年2月3日に,Microsoftの独占的地位乱用の再現を危惧するコメントを発表した。同社コーポレート開発担当上級バイス・プレジデント兼最高法務責任者のDavid Drummond氏は,Microsoftがパソコンに対して行ったのと同様に,不当で不正な影響力でインターネットを制圧しようとしているのではないかと懸念している。

 同氏は「インターネットは競争的な革新に報いるものだが,Microsoftはこれまでたびたび占有権の確保を図り,その独占的地位を新たな市場や関連市場に利用しようとしてきた」と批判。MicrosoftとYahoo!を合わせると,インスタント・メッセージングおよびインターネット電子メール・アカウントで圧倒的なシェアに達すること,最もトラフィックの多いポータル・サイトをそれぞれ運営していることなどを挙げ,「世界中の政策責任者はこれらの問題を考え,消費者が納得のいく回答を導き出す必要がある」と述べた。

 さらに同氏は,「単に,ある企業が別の企業を乗っ取るという財務的な取引の問題ではなく,インターネットの基本原則であるオープン性と革新性を維持できるかどうかの問題だ」と語った。

 一方,Microsoft法務顧問のBrad Smith氏は同日,「MicrosoftとYahoo!の合併はいっそう市場の競争を高める」とのコメントを発表している。「Googleは現在,米国の検索クエリーのシェアを65%以上握っており,欧州でのシェアは85%以上だ」とGoogleの独占状態を指摘した。

 Microsoftは1月31日付けでYahoo!に買収提案のレターを送付し,同日のYahoo!株価に対して62%のプレミアムを付けた買収額(総額は446億ドル)を提示した。MicrosoftのCEO,Steve Ballmer氏は2月1日の会見で,「米Googleはオンライン広告のシェアが75%と圧倒的な独占状態にあり,それがさらに加速している。今こそ両社が合併すべきだ」と述べた。

[発表資料(Googleのプレス・リリース)]
[発表資料(Microsoftのプレス・リリース)]