「すごい現場」が2013年1月8日公開の記事で最終回を迎えた。2008年の連載開始から計50回以上にわたった長期連載では、著者の永井昭弘氏がそのキャリアを通して、システム開発や運用の「現場」で見聞きした面白い話、感動的な話、すごい話を毎回紹介してきた。抽象論に陥らず現場を踏まえた永井氏の記事は、読者から高い支持を得た。

 登場するのは、強引な値引きで信頼関係を失ったSEと顧客企業、意地と気迫でマニュアルを一晩で完成させた若手SE、スケジュール遅れを泥臭いマネジメントで何とか乗り越える中国ソフトウエア会社の社長など。その現場には、著者自身が何らかの形で関わっている。最終回となった1月8日の記事では、「競馬の神様」と呼ばれた競馬評論家、故・大川慶次郎氏との付き合いで学んだ本物のプロの仕事ぶりを取り上げている。

 これらの記事を読みながら、プロの仕事とそうでない仕事の境目はどこらへんにあるのか、改めて考えてみてはどうだろうか。

すごい現場

大企業からベンチャーまで ぼくはこんな現場を歩いてきた
SEを潰した値引き 信頼も連帯感も消えた
期限は明日――若手SEの気迫を見た
寝不足のプレゼン ドリンク剤も効かず
中国の開発現場もすごい 若き社長が率いる修羅場
オンラインダウン発生! あの日、何もできなかった
建築設計事務所で見た 巨匠のすごいレビュー
コンサル泣かせの現場 “小さな王国”の弊害
逝去した巨匠への追悼 感激したあの言葉
人の話を聞かない40代 あるコンサルの失敗
過ぎたるは及ばざるがごとし 作りすぎたRFPの悲劇
人間万事塞翁が馬 得難いレクチャーの裏事情
仏作って魂入れず お粗末な問い合わせ対応
やっかいな敵は身内? 若手SEを悩ます先輩営業
徹底した3S活動 すごい町工場を見た
計画崩れたITの引っ越し 遅延を挽回した秘策とは
PM倒れ最大の窮地 顧客の信頼に助けられた
学ぶ場なくなった「基礎」 自分で勉強するしかない 
精密加工もITも現場に魔法はない
これでいいのか 孤立する日本人 
震災で再認識した トラブル対応の難しさ
外注先選びで失敗 ちょっとした油断が怖い 
その「自粛」は 意味があるのか?
みずほ銀行障害から現場は何を学ぶべきか
進まぬIT活用を変えた執念の社員教育
インド人エンジニアが繰り広げた驚きのバグ対応
暴言だけが取りえの“自称”オブザーバー
“悪夢”と思った営業で自信をつけたエンジニア
コピペでは伝わらない 提案書は「一枚入魂」
プロマネのプレゼンをRFPで必須にした理由
小事の違いが大きな差 会議室で見た2社のケース
顧客の怒りを買った提案辞退のやり口
最後の難関、本番移行 記憶を奪う二つの要因
行き過ぎた能力主義が招いた悲劇
1週間の現場通いで体感できた必須の要件
“ガンダム世代”のやり方は通用しない
プロジェクトの失敗に不思議の失敗なし
退職者への対応、熱血のA社、クールなB社
さらばSteve Jobs、楽しかったMacの仕事
リカバリー計画から抜け落ちたリスク管理
機密保持契約前に終わった二つの商談
出張荷物を「定点観測」4年間の変化は大きい
身だしなみの大切さ 新人の頃を思い出そう
「選択と集中」のアサイン、部下から退職願
日本IBMとスルガ銀行、なぜ訴訟に発展したのか
ITエンジニアの「さしすせそ」を考える
新卒社員に教えて分かった、共通フレーム普及の壁
負けたら終わりではない、問われる顧客への姿勢
他業種からIT業界へ転職、経験積みまた古巣へ
下請けSEに圧倒された、若手リーダーの一人相撲
「神様」に教わった、本物のプロの姿勢