2012年10月下旬までに、米国主要IT関連企業の2012年第3四半期(7~9月)の決算が出そろった。内容は、Appleの好調ぶりが際立つ。それ以外は振るわない企業が多かったが、新製品の投入タイミングなど個別の事情が反映された業績になっている。

 典型がMicrosoft。10月26日に発売したWindows 8(関連記事)のリリースを控えた時期であり、Windows部門の売上高が前年同期比33%減少した。Windows 8や同OSを搭載するタブレット端末「Surface(サーフェス、関連記事)」の発売によって、10~12月期にどの程度盛り返すかが注目される。

 Yahoo!は事前のアナリスト予想を上回り、純利益が前年同期の約10倍となる大幅増益になった。中国Alibaba Group(阿里巴巴)の株式売却益が押し上げた面があり、本業の儲けを表すGAAPベースの営業利益は前年同期比14%減少している。9月末に男児を出産したばかりのマリッサ・メイヤーCEO(関連記事)による経営再建はまだ始まったばかりだ。

 別の意味で大きな話題になったのがGoogleの決算だ。20%減益という内容もさることながら、決算開示プロセスのミスで、正式開示時刻前に業績データが流出してしまうという異例の事態になった。5月に買収して赤字を計上しているMotorola事業の立て直しと同時に、投資家の信頼回復にも取り組む必要がありそうだ。

国内では携帯電話大手が明暗分ける決算

 一方の日本国内では、携帯電話大手3社の中間決算が出そろった。NTTドコモは増収減益、KDDIは減収減益、ソフトバンクは増収増益となった。契約数の純増(関連記事)が続くソフトバンクの好調ぶりが目立つ。

 ただ、ソフトバンクの株価は、米携帯電話大手のスプリント・ネクステル買収を発表(関連記事1関連記事2)して以来低迷している。先に買収を発表したイー・アクセスの買収にも影響を及ぼす可能性があり、その余波で11月1日には一時両社の株式が売買停止になった(関連記事)。イー・アクセス自身は、11月12日に中間決算を発表する予定だ。

携帯3社の中間決算
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