写真1●ソフトバンクによる記者会見の様子
写真1●ソフトバンクによる記者会見の様子
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●ソフトバンクの孫正義社長
写真2●ソフトバンクの孫正義社長
[画像のクリックで拡大表示]

 ソフトバンクは2012年10月15日夕方、都内で記者会見を開き、噂になっていた同社による米携帯電話市場3位の米スプリント・ネクステル(以下、スプリント)買収について、事実であることを正式に認め「戦略的買収(子会社化)について最終的な合意に至った」と発表した(写真1)。

 同買収については既に、スプリント側が現地時間10月11日、「ソフトバンクによる大規模な投資の可能性について、協議していることは事実」とする声明を発表していた(関連記事:米スプリント、ソフトバンクによる買収報道について協議の事実を認める)。

 買収金額は約201億米ドル(1ドル78円換算で約1兆5709億円)。買収により、ソフトバンクはスプリントの約70パーセントの株式を取得し、スプリントはソフトバンクの連結子会社になる。

 投資総額のうち、約121億ドル(約9469億円)分はスプリントの既存株主に対して支払われ(1株当たり7.30ドル)、約80億ドル(約6240億円)分については、スプリントが新株を発行しソフトバンクが増資を引き受ける(1株当たり5.25ドル)ことにより「スプリントのネットワーク強化や財務体質強化などを図る」(ソフトバンク)としている。

 会見に出席したソフトバンクの孫正義社長(写真2)は、「今回のアメリカへの挑戦は簡単ではない。もう一度ゼロから始めなければならない新たなチャレンジになる」と気を引き締めつつも、「買収により日米合計でユーザー数は9600万になる。これは、日米の市場で見ると米ベライゾンと米AT&Tと並び最大級で世界でも3位に入る規模だ」と述べて買収によるスケールメリットなどを強調。

 さらに、「かつてボーダフォンジャパンを買収したときに、『いつの日かドコモさんを抜くんだ』と言ったが『ありえない』と笑われた。さらに『10年以内に抜くんだ』とも言ったがこれにも同じ反応が返ってきていた。あれから6年ほど経つが、(今回の買収により)既にユーザー規模ではドコモさんを抜いてしまった」と述べて国内最大数のユーザーを抱えるNTTドコモを強烈にけん制していた。

 買収に関する質疑応答や孫社長の囲み取材などさらに詳しい内容については、追って続報をお届けする。

■関連記事
ソフトバンクによるスプリント買収、押さえておきたい7つの観点
ソフトバンクがスプリント買収のメリットを説明、「成長のダブルエンジンを得た」
「タイムマシン戦略が再び回り出す」「ダンCEOとは以前からよく知った仲」、孫社長が一問一答