写真●会見に応じるGoogle時代のマリッサ・メイヤー氏
写真●会見に応じるGoogle時代のマリッサ・メイヤー氏
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 今週火曜日(7月17日)、米Yahoo!の最高経営責任者(CEO)兼社長に就任したマリッサ・メイヤー氏は米Googleの創業当時からのメンバーであり、IT業界の有名人である。

 メイヤー氏はGoogleで画像/書籍/商品検索や「iGoogle」「Google News」「Gmail」といったサービスを担当し、退職時には「Google Maps」や「Google Earth」などを統括する「Local, Maps and Location Services」部門の副社長を勤めていた。昨年11月に公開された「The Evolution of Search」というGoogle検索プロジェクトの歴史を6分間にまとめたビデオにも、主要な語り手の一人として出演している。

 メイヤー氏がCEOに就任した17日、Yahoo!は2012年第2四半期の決算を発表したが、メイヤー氏はその発表の場には同席しなかった。決算は、売上高が12億1800万ドルで前年同期比で1%減、純利益は同4%減の2億2700万ドル。アナリストの事前予想は上回ったものの、業績面では依然として厳しい状況が続いている。

 この7月には不正アクセスによるネットワーク攻撃で、45万人を超えるユーザー情報を流出させるというトラブルも発生している。

 Yahoo!では、今年5月に学歴詐称問題でCEOのスコット・トンプソン氏を解任。トンプソン氏の解任で中心的な役回りを演じた投資会社のThird Pointから3人の取締役を受け入れるとともに、グローバルメディア部門の責任者でもあるロス・レビンソン氏を暫定CEOとする体制をとってきた。

 トンプソン氏に限らず、Yahoo!ではこのところCEOが短期で交代するケースが繰り返されており、メイヤー氏には様々な難題が待ち受けているようにも見える。しかも、海外メディアによると同氏は現在妊娠中で、今年10月の出産を予定しているという。

 子供を育てながらYahoo!再建の道筋を付けることに成功すれば、彼女はIT業界における「働く女性」のモデルケースとして語り継がれる存在となるだろう。