画面1●携帯電話大手3社の純増数推移
画面1●携帯電話大手3社の純増数推移
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画面2●携帯大手3社における番号ポータビリティー(MNP)の転入出状況(件)
画面2●携帯大手3社における番号ポータビリティー(MNP)の転入出状況(件)
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 電気通信事業者協会(TCA)は2012年10月5日、2012年9月末時点の携帯電話の契約数を発表した。新規契約から解約を差し引いた純増数は、ソフトバンクモバイルが32万200件と9カ月連続の首位を維持した(画面1)。2位のKDDI(au)は22万4900件、3位のNTTドコモは15万8600件。9月21日にiPhone 5の発売が始まったことで純増競争への影響が注目されたが、順位は8月と変わらなかった。

 ソフトバンクモバイルはiPhone 5に加え、「PhotoVision」をはじめとした通信モジュールの販売が好調だった影響が大きい。通信モジュールの純増数はソフトバンクモバイルの10万8700件に対し、KDDIは3万4100件と、7万件以上の差をつけた。iPhone 5を販売していないNTTドコモも先月(8万1200件)から純増数を大きく伸ばしたが、通信モジュールの純増数が8万4200件を占める。法人で大口の契約を獲得したという。

 一方、番号ポータビリティー(MNP)による転入出状況はKDDIの圧勝(画面2)。転入超過数はKDDIの9万5300件に対し、ソフトバンクモバイルは1200件。KDDIの転入超過数は2007年3月以来の高水準で、12カ月連続の首位を維持した。「iPhone 5はMNP新規が多く、ソフトバンクモバイルから乗り換えるユーザーが多かった結果」(KDDI広報)という。NTTドコモは9万5200件の転出超過だった。iPhone 5はまだ予約待ちの状況が続いているため、10月以降にさらに転出が増える可能性もある。

 携帯大手3社以外の純増数はウィルコムのPHSが4万3500件、2月にAXGPの商用サービスを始めたソフトバンク系のWireless City Planningが11万7400件、KDDI系のUQコミュニケーションズのWiMAXが17万800件だった。AXGPの伸びは、ソフトバンクモバイルが公衆無線LANのエントランス回線に活用している影響も大きいとみられる。今冬以降、AXGP対応スマートフォンの投入も予定し、今後さらに大きな伸びが見込まれる。UQコミュニケーションズも2011年12月以降、10カ月連続で15万件以上の純増と好調を維持している。