1位 インテル,次世代CPU「Penryn」の動作サンプルを公開
2位 巨大な“箱”に入った移動可能なデータセンター,日本上陸
3位 イオン,「業務ありきで選んだ技術,それが仮想化だ」
4位 Intel,消費電力50Wのクアッドコア版「Xeon」と最大8GBの半導体ディスクを発表
5位 Intel,45nm版プロセサの試作に成功,「Penryn」製品系列として2007年下半期より提供
6位 「iPhoneに他社製品にはない有害物質」,Greenpeaceが指摘
7位 深刻化するデータセンターの消費電力,「このままではムーアの法則が破綻する」
8位 「最安3万円台」のタワー型サーバー,日本HPが発売
9位 国立天文台がスーパー・コン発注,NECのベクトル型「SX-9」とCrayのスカラー型「XT4」
10位 Xen上でのWindowsの動作を高速化するドライバをノベルが5月に提供
11位 「2300台のファイル・サーバーを仮想化した理由」,第一生命がサーバー統合
12位 富士通が九大のスパコンを「PRIMEQUEST」など400台超のサーバーで構築
13位 大阪駅の自動改札が4時間ぶり復旧,電源対策はなし
14位 NECがシンクライアント端末の後継新機種,アプリ/OS変更などで使い勝手を向上
15位 アステラス製薬,仮想化技術「Virtual Server」を使いサーバー統合
16位 Vistaが利用可能に,仮想化ソフト「VMware Workstation 6」が出荷
17位 ユーザーが検証,マルチコアの効果
18位 インテージ,ストレージ仮想化で安価なディスクを活用
19位 VMware,仮想環境を変換するツールの新版「VMware Converter 3」をリリース
20位 IBM,新型デュアルコア・プロセサ「POWER6」と対応サーバー「System p 570」を発売

 「仮想化」「省電力」――。サーバー&ストレージ分野における2007年のニュース記事アクセス・ランキングをながめると,このような2つのトレンドが浮かび上がる。サーバーやストレージの「仮想化」に関連した記事は,ランキング上位に8本並んでいる。「省電力」がキーワードになっている記事も,タイトルからは読み取りづらいが6本ランクインしている。

にわかに注目され始めた仮想化技術

 話題の仮想化技術は,乱立するサーバーの運用管理を容易にし,かつデータセンターの消費電力・発熱問題を解決する手段として関心が高い。サーバーの仮想化は文字通り,サーバーのハードウエアを「ハイパーバイザー」と呼ぶソフトウエアにより仮想化する技術である。仮想化したサーバー・システムを1台の物理サーバー上で複数実行したり,稼働を止めることなく別の物理サーバーに移動させたりできる。

 パソコンやIAサーバーの仮想化技術は国内でも2000年ごろから利用され始めたが,ここ1,2年は企業の業務システムに広く利用され始めたことが目立つ。実際にランキングが示すとおり,マイクロソフトのサーバー仮想化ソフトVirtual Serverを大量導入したイオン・グループをはじめ,2300台のファイル・サーバーをストレージ仮想化技術で統合した第一生命保険など,大手ユーザー企業の構築事例を紹介した記事に関心が集まった。

 2007年に,仮想化技術がにわかにクローズアップされ始めた理由はいろいろある。まず,Windows NTをサポートするサーバー・マシンがなくなり,NT上に構築したシステムを仮想化する必要に迫られていること。そして,複数のシステムを仮想化して,1台の物理サーバー上に統合するニーズが高まっていることなどである。仮想化技術を使った場合の性能や安定性に関して,これまでの利用実績から安心感が高まっている面もあるだろう。

 もちろん,現時点で仮想化の対象は部門/店舗システムやインフラ系システムが中心である。まだミッション・クリティカルな基幹系システムへの適用例は少ない。

 ただ,独SAPが同社アプリケーション製品を仮想環境上で本格サポートすることを明らかにしている。これを契機に,基幹系システムを仮想環境に移行させるための環境が,徐々に整備されていくと期待されている。