富士通は3月14日、九州大学から基幹IAサーバーの「PRIMEQUEST」を33台受注したと発表した。同社によると「PRIMEQUESTの1案件での導入台数としては最大規模」という。受注額はPCサーバーやストレージ装置をあわせたハードウエアと、システム構築・運用費で約25億円。同大学の情報基盤センターで、学術用のスーパーコンピュータとして今年6月に稼働を開始する。

 システムは最上位機の「PRIMEQUEST580」32台、PCサーバの「PRIMERGY RX200 S3」384台の計416台を並列につなぐクラスタ構成で構築する。同社のプログラム並列実行用のミドルウエア「Parallelnavi」でサーバー間の処理を束ね、サーバー間は高速スイッチのInfiniBandでつなぐ。OSは「Red Hat Enterprise Linux」を採用する。なおPRIMEQUEST33台のうち残り1台はスパコン全体のファイル・システムを管理するサーバーとして使う。

 計算能力は合計で31.5テラFLOPSと、九大の従来システムに対して約50倍に増強した(テラFLOPSは1秒間に1兆回の浮動小数点演算ができる能力)。単純な比較はできないが、これは世界のスーパーコンピュータの性能ランキングを集計している「TOP500」で、20位以内に相当するものだ。

 九大の情報基盤センターは、全国の大学や研究機関が共同で利用できる「全国共同利用情報基盤センター」の一つ。今回の新システムも同様に開放する。センターは全国に合計で7つある。

■変更履歴
富士通は従来システムに対する性能向上を500倍と当初発表していましたが、正しくは50倍でした。本文は修正済みです。 [2007/03/14 19:00]