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 環境保護に取り組む非営利団体Greenpeaceは,米Appleの携帯電話「iPhone」に含まれる有害物質について調査した結果を,米国時間10月15日に発表した。それによると,iPhoneには他社製品がすでに排除している有害物質が2種類使用されているという。

 iPhoneを分解して18の部品やパーツを調べたところ,BFR(臭素化難燃剤)の存在を示す臭素化化合物がアンテナなどに,またフタル酸エステルが添加されているPVC(ポリ塩化ビニル)がヘッドフォン・ケーブルから検出されたとしている。

 Greenpeace研究所上級科学者のDavid Santillo氏によると,欧州では,ヘッドフォン・ケーブルで可塑剤として使用されているフタル酸エステルは,生殖毒性物質のカテゴリ2に分類されている。

 またiPhoneのバッテリは,接着剤とはんだで本体に固定されているため,リサイクルが困難とも指摘した。

 Greenpeaceによると,フィンランドのNokiaはすべての携帯電話でPVCの使用を中止している。また,スウェーデンEricssonとソニーの合弁会社であるSony Ericssonや米Motorolaは,BFRフリーの携帯電話を販売している。

 AppleのCEOであるSteve Jobs氏は今年5月,環境保護に関する声明を発表した(関連記事: AppleのSteve Jobs氏が環境保護に対する取り組みを明らかに)。しかしGreenpeaceは,来月欧州でiPhoneのリリースを控えたAppleの取り組みは,競合他社に大きく出遅れている,と述べている。

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