US110
US110
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 NECは,シンクライアント端末の新機種2製品を,10月15日に販売開始した。画面情報端末プロトコルのRDP/ICAを用いた遠隔操作に特化した製品。出荷時期と価格はそれぞれ,手のひらサイズのデスクトップ機「US110」が10月29日で4万9000円(税別),ノート型の「US60」が11月下旬で19万9000円(税別)。それぞれ,従来機であるUS100とUS50の後継機に位置する。

 US110は,本体に別途モニター・ディスプレイとキーボード/マウスを接続して利用する,デスクトップ型のシンクライアント端末である。サイズは,幅150×高さ30.4×奥行94ミリ・メートルと手のひらに乗る大きさであり,机の上やディスプレイの背面などに設置して使用する。重量は350グラム。ハード・ディスクを備えず,代わりにOS格納/起動用にNAND型フラッシュ・メモリー128Mバイトを備える。RAMも128Mバイトである。電源は内蔵せず,外部ACアダプタから給電する。

 US110の特徴は,動画/音声などのマルチメディア描画用LSIチップを搭載することによってテレビ会議やIP電話での使用に向いていいる点と,L2TPによるVPNクライアント機能を持ち,遠隔拠点からインターネットなどの公衆網を経由して本社のデータ・センターにアクセスする使い方が可能である点である。こうした業務アプリケーションの前提として,Windows CEベースのOSを搭載している。

 従来版であるUS100と比べたUS110の主な差異は,VPNクライアント機能を搭載したこと。なお,ディスプレイ接続インタフェースは,US100ではディジタル/アナログ兼用のDVI-Iコネクタだったが,US110ではアナログ専用のD-Sub15ピンとなった。

 一方のUS60は,ノート型パソコンの形状をしたシンクライアント端末である。ハード・ディスクを搭載せず,代わりにOS格納/起動用として容量4Gバイトのフラッシュ・メモリーを備える。データをローカル・ディスク(フラッシュ・メモリー)には格納できないという。OSはWindows XP Professional。外形寸法は,幅268×高さ27×奥行217ミリ・メートルで,重量は約993グラム。消費電力は約14ワットで,バッテリ駆動時間は約6時間(大型バッテリ装着時は約12.2時間)。

 従来版であるUS50と比べたUS60の差異は,カスタマイズ機能を高めた点である。従来はネットワーク設定などのカスタマイズ設定を書き込むメディアとして,ユーザーが書き換えできないROM(読み出し専用メモリー)を使っていたため,ユーザー自らカスタマイズすることができていなかった。今回のUS60では設定内容をユーザーが書き込めるようにしたという。